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東日本大震災から1年 12/03/14

追悼、復興、脱原発の思い胸に 都内各地で集会、デモ  

取り組みを報告する新婦人東村山支部の人たち

  3月11日、井の頭公園
 未曽有の被害をもたらした東日本大震災から1年を迎えた11日、都内各地で集会やデモなど多彩な催しが取り組まれ、犠牲者を悼み、被災者の悲しみや復興への願いに思いを寄せました。被災県には今も深い傷跡が残り、生業(なりわい)や生活の再建は進まぬ一方、政府・東電による原発再稼働の動きが目立つ中、各会場では「一刻も早い復興を」「原発はいらない、再稼働は許さない」などの声があがりました。
 
 

井の頭公園に8000人

 井の頭公園(三鷹市)では8000人が参加して「震災復興・なくせ原発3・11行動in東京」を開催。大震災が起きた午後2時46分、参加者全員で黙祷を捧げ、犠牲者の冥福を祈りました。
 会場には「危険きわまりない原発はいらない」「住民本位の復興を」などと描かれた横断幕やプラカードを掲げる人、放射線測定器を持ち込み測定を実演する農業関係者、「あしたが明るく輝くようにと黄色い袈裟を着てきた」という僧侶、幼い子どもの手を引く母親など、さまざま人たちが会場を埋めました。
 ステージからは、被災地から駆けつけた人や被災者支援に頑張る人たちが発言し、地域や分野別の取り組みが紹介されました。岩手県の田老町漁業協同組合の前川昌人さんは、津波で年間利益100年分を失った被害の甚大さと一向に進まない復興の実態を紹介。「消費増税より、年金削減より前にやることがある。復興を見えるようしてほしい」と政府の遅い対応に怒り、「沿岸の民はへこたれません」と訴えると、参加者の大きな感動を呼びました。
 集会後、参加者はJR吉祥寺までデモ行進。3歳の子どもを肩車して妻と歩いた男性(38)=江東区=は「子どもが小さいので、参加するか迷ったが、日本を動かすためには声をあげないと、と思い参加した。事故を起こした原発から燃料棒を取り出す技術もないのですから、原発はなくすしかない。住んでいる地域は、いまだに放射線量が高く心配です」と話しました。


連帯の力で原発ゼロジャパンの実現を 笠井衆院議員があいさつ

笠井氏

3月11日、井の頭公園

 日本共産党の笠井亮衆院議員があいさつし「連帯の力、共同の輪をいっそう広げ、草の根から国会までの連携プレーで原発ゼロジャパンを実現しよう」と呼びかけました。
 笠井氏は根拠も示さず原発事故の収束宣言をした野田首相を批判。いま政治がやるべきことは原発事故の原因究明と被害者の全面補償、徹底した除染、電力の安定供給と自然エネルギーの本格的導入だと指摘。ところが政府は、その努力をしないばかりか原発再稼働を狙っているとし「3・11に政治の根本を問い直し、国民の命を守る福祉防災の国づくりへ、新たな一歩を踏み出す日にしよう」と訴えました。

青年らがキャンドルデモ 新宿区・柏木公園

キャンドルで描いた「3・11つなぐ」の文字を囲む青年ら

3月11日、新宿区・柏木公園

 被災地に思いをはせ、日本社会を見つめ直す日にしよう―。新宿区の柏木公園では青年たちによる「キャンドルプロジェクト」が行われ、ほのかな光で描かれた「3・11 つなぐ」の文字が浮き上がる公園に、約400人が集いました。全労連青年部や日本民主青年同盟などでつくる実行委員会が主催。
 集会後、参加者はキャンドルを手に繁華街を歩いてアピール。沿道から手を振ったり、カメラを向ける若者など注目を集めました。
 友人に誘われて参加した男性(33)=世田谷区=は「失業中だったので、やっと行動に参加できました。再就職先は省エネのLED(発光ダイオード)照明器具を販売している会社。原発事故がなかったら、そういうことはなかったかもしれない」。大学の友人3人で参加した女性(21)=東村山市=は「震災や原発事故で、今も苦しんでいる人がいることを忘れてはいけない。そのことをみんなに伝えたいという思いで参加しました」と語りました。
 共産党の笠井亮衆院議員があいさつし、吉良よし子参院東京選挙区予定候補も歩きました。 
(東京民報3月18日号に掲載)