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狛江市長選 Komae City

暮らし守る市政継続か、市民に冷たい官僚市政か | 12/06/16

 狛江市長選は17日告示(24日投票)されます。狛江市青年会議所が6日開いた公開討論で「豊かな狛江をつくる市民の会」の田辺良彦氏(47)=日本共産党推薦=は「市民が主人公の市政を大切に育てる」とのべ、矢野市民派市政の継続・発展を目指すとしたのに対し、元都理事の高橋都彦氏(60)=自民、公明、民主各党などが推薦=は「例外なく施策を見直す」と明言し、争点が鮮明になっています。

狛江青年会議所が開催した公開討論会

奥が高橋氏、中央が田辺氏=6月6日、狛江市
 討論会では、市財政問題や子育て支援、高齢化対策、震災対策、産業振興などコーディネーターからの質問に両予定候補が答える形で討論しました(一覧)。
 田辺氏は「考えの違いを強調して対立をあおるのではなく、狛江をよくしたいという一点で話し合い、力を合わせていく市政、草の根の願いが市政に届き市民がまちづくりの主役になる市政は、市民みんなでつくりあげてきたものだ」とのべ、「『市民が主人公』の市政をこれからも大切に育てていきたい」と表明。
 高橋氏は矢野市政は「何ら努力をしてこなかった。空白の16年だ」と攻撃。「第2の夕張市になりかねない。例外なく施策を見直す時期に来ている」と決めつけ、子どもの医療費助成の削減や市立保育園民営化などを主張。地域産業の振興策では「まともに支援すれば市税の持ち出しという問題になる」とものべました。
 これに対し田辺氏は、市の財政難は、高橋氏を推す自民、公明などがかつて支えていた前市政が借金を倍増させた結果であり、自民党も「あまりに急激な借金だった」と市議会で認めていると指摘。矢野市政は新たな借金を抑え、人件費の削減などの内部努力や市民の協力で財政を確立したことを、さまざまな指標も示して紹介。
 「子どもたちの健やかな成長を市として全力で支え、応援したい」とのべ、保育の充実や子どもの医療費助成の継続と都に実施を求めることを約束。現市政を継続・発展させ、安全・安心、若々しくて魅力と活気のある狛江をつくる政策について、市議13年の経験も踏まえて具体的に語りました。

認識不足たびたび
 討論では市民が寄せた質問にも答えました。子どもの医療費助成の充実度で住む自治体を考えるという母親の切実な声について高橋氏は、「数千円の違いで本当に住む場所まで違ってしまうのか」と、ぴんとこない表情を浮かべ、医療費助成だけで捉えられると困ると不満をのべました。
 高橋氏は都理事(局長級)から都の公益法人に天下った経歴を持ち、自民党都連からの要請を受けて出馬を決め、3カ月前に急きょ狛江市に転居した「落下傘候補」。討論では、狛江市についての認識不足を露呈する場面がたびたびありました。
 例えば市役所の耐震化問題。同氏を推す自民、公明などが関連予算を修正・削除したために先送りされたのに、耐震化の遅れを批判。さらに、すでに市独自の太陽光発電設備の設置助成制度が創設されているのに、「創設」を公約に掲げていることを田辺氏に指摘されると、高橋氏は市の制度は都のまねで「アリバイ的に国と都(の補助金)にくっつけただけのもの」と事実をねじ曲げて弁明し、失笑をかう場面もありました。

市議補選
 市長選と同時実施の市議補選(欠員1)で「豊かな狛江をつくる会」は同会事務局長の絹山達也氏(65)を擁立し、市民派市政を支える与党議席を守るために全力をあげます。




(東京民報6月17日号に掲載)