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都知事選 

都政の転換訴え健闘 宇都宮氏 97万票獲得 | 12/12/16

 石原前知事の辞職に伴う都知事選は16日投開票され、前日弁連会長で「人にやさしい東京をつくる会」の宇都宮けんじ氏(66)=未来の党、共産党、社民党、生活者ネット支持=は約97万票(得票率15・04%)を獲得し大健闘しましたが、及びませんでした。当選は前副知事の猪瀬直樹氏(66)=公明、維新支持、自民が支援=(表)。

 都知事選は、福祉を切り捨て大型開発優先の石原都政を全面継承する猪瀬氏と、脱原発を求める市民運動や反貧困の市民団体などから推されて出馬し、福祉の充実など東京を変える4つの柱・誰もが人らしく、自分らしく生きられる東京をつくる・東京から脱原発・教育の再建・憲法のいきる東京―を掲げる宇都宮氏との対決となりました。

運動の輪長期に広げよう 宇都宮氏があいさつ


結果を受けてあいさつする宇都宮氏=12/12/16、新宿区四谷

 16日夜、宇都宮事務所(新宿区四谷)では、選挙を支えた大勢の市民ボランティアや勝手連の人たちが詰めかける中、宇都宮氏があいさつに立ち「選挙は応援し、支えてくれた人たちで成り立っている。誇りに思う」と感謝をのべました。
 宇都宮氏は「自分の政策を多くの有権者に十分に伝えきるということには難しさを感じた。支援の輪が広がり、つながりができたことは大きな成果」と強調。「私たちが訴えた基本政策は選挙結果によらず、これからも市民団体、市民運動、支持してくれた政党、労働組合が引き続きやらなければならない課題。私も一弁護士、一都民としてみなさんと一緒に取り組んでいきたい」と表明し、大きな拍手に包まれました。
 宇都宮氏はその上で、「これからの日本には、私たちのような運動が必要とされている。一回の選挙結果に落胆したり、一喜一憂するのではなく、この輪をもっと長期にわたって広げることが日本を救う道だと思う」とのべました。「私は元気なんで、あと1カ月くらい選挙をたたかえる」と事務所を湧かせ、「これからは、このエネルギーを現場で、とくに4つの課題で全力をあげたい」と力を込めました。
 宇都宮氏を支援した澤藤統一郎弁護士は「教育に自由をという大きな声を自分のものとして、多くの教員とともに自分の選挙という思いでやってきた。すばらしい候補者とすばらしい政策でたたかったが、我々がスタートしたときに相手は、すでにゴール近くにいた。いろいろな政党や団体、市民運動、勝手連、個人みんなが一緒にたたかうという枠組みを大切にして、次をたたかいたい。今度は体制を立てて、今回選挙の教訓を咀嚼して対等な選挙をすれば、負けるわけはありません」と訴えました。
 事務所には日本共産党都議団の吉田信夫団長、大山とも子幹事長が駆けつけ、健闘をたたえました。

(東京民報2012年12月23日号に掲載)