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都知事選 2014 

宇都宮候補 安倍暴走と対決 支持広げる福祉・雇用対策 | 14/01/29

告示第一声で政策を訴える宇都宮候補

=1月23日、新宿アルタ前

 猪瀬前知事の辞職に伴う都知事選(2月9日投票)には16人が立候補し、日本弁護士連合会・前会長で「希望のまち東京をつくる会」の宇都宮けんじ(67)=無所属、日本共産党、社民党推薦=、元厚生労働相の舛添要一(65)=自民、公明が支援=、元首相の細川護煕(76)=民主が自主支援=の有力3氏による激戦になっています。
 選挙戦の序盤から、安倍政権の暴走にきっぱり対決し、石原・猪瀬都政の転換を掲げているのは宇都宮候補だけであることが鮮明になっています。
 細川、舛添両候補が論戦から逃げるなか、宇都宮候補は連日、都内各所で福祉、防災、雇用、原発など都政の重要課題で政策を堂々と訴え、支持と共感を急速に広げています。
 「戦争をする体制を着々と進める安倍政権の暴走にストップをかけます。そのために東京がアジアに向けて平和を発信し、平和憲法を守ります。子どもたち、若者、お年寄り、みんなが人間らしく暮らせるまちをつくります」
 告示後、最初の日曜日となる1月26日、買い物客で賑わう新宿歩行者天国のビル街に、宇都宮候補の力強い訴えが響きました。支援者とともに歩くと「宇都宮さんだ」と声をあげる若い人や女性が駆けより、握手やツーショット写真の撮影を求めます。

対話形式の演説が好評

新宿歩行者天国で聴衆の質問に答える宇都宮候補=1月26日

 通行人からの質問に答える対話演説会も、ポイントごとに行われ、多岐にわたる質問にずばり回答。「福祉を充実させるための予算はあるのか」との質問には、都には十分な予算はあるとし、「例えば1b1億円かかる外環道計画を見直し、保育所建設や特別養護老人ホームを建設すれば、保育所の待機児童や特養ホームの待機者は解消できる」と答え、大きな拍手を浴びました。

舛添氏 目指す大都市 “住民追い出し”で超高層縦型都市

第一声をあげる舛添候補

=1月23日、新宿駅西口
 「世界一の福祉」を掲げる舛添氏は、国政でも都政でも大型開発を優先し福祉を切り捨ててきた自民、公明の支援を受け、石原・猪瀬都政継承を明言。それにとどまらず自著「日本新生計画 世界が憧れる2015年のジパング」(2010年)では、山手線内側の一軒家住人に「協力をお願いし」、「大都市圏の中心部は、超高層縦型都市に改造する。超高層ビル、超高層マンションが林立する街に」と主張。
 「そのために、建築規制の緩和、規制撤廃も必要だ」とし、石原都政が掲げた「都市再生」以上の住民追い出し、街壊しを進める政治家であることが明らかになっています。さらに教育について同著で「脱ゆとり教育」をさらに進めて「『詰め込み教育』に転じるべきである」との考えを披露しています。
 また有権者の関心が高い「政治とカネ」の問題では、同氏が支部長を務める政治団体の政治資金や政党助成金から家賃収入を得たり、絵画を購入するなどの不適切な使途が発覚し、都民の批判を招いています。

細川氏 「佐川マネー」説明できず

小泉元首相(右)の応援を受け演説する細川候補

=1月23日、渋谷駅前
 小泉純一郎元首相の応援を受ける細川氏は、「原発の再稼働反対」はいうものの、経済政策で安倍政権を評価し、対決姿勢はありません。都政の課題でも、住民追い出しの道路建設中心の防災対策や、猪瀬都政が策定したアクションプログラム(都の長期ビジョン「2020年の東京」の3年計画)を「非常に良くできたものだ」と絶賛。同計画は幹線道路や過大な港湾施設整備などの事業費が全事業費の3割をしめる一方、高齢者対策は3%、少子化対策は2・4%にすぎません。
 細川氏が首相を辞任する原因となった1億円の「佐川マネー」疑惑については、出馬会見(1月22日)で「返したから問題ない」という猪瀬前知事と同様の弁明を繰り返しました。
 記者から当時の国会答弁で元金・利息とも完済したとしながらも、首相辞任の際、利息は佐川側からの政治献金として処理したと説明を変えたことを指摘され、「そうでしたかね、もういっぺん調べてみないと分かりません」と答えを濁しました。

(東京民報2014年2月2日号に掲載)