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都議会報道                   2013/10/12

共に力尽くし保育園増設を 共産党 条例提案採決で呼びかけ 定例会が閉会

討論で意見を表明する里吉都議

10月11日、都議会本会議場
 都議会第3回定例会が11日、閉会しました。都議選後、初めて開かれた定例会で、都議選で争点になった認可保育園や特養ホームの増設をはじめ、都民の暮らし、福祉、雇用、中小企業支援、防災対策などをどう進めるのかが問われました。この中で、17議席に躍進して議案提案権を取り戻した日本共産党の活躍が目を引きました。
  「議員提案条例を積極的に研究している提案議員に敬意を表す」。日本共産党が保育所用地費補助条例を提案したことについて、他会派の都議からも本会議討論でこんな評価が出されました。
 条例案は認可保育園を整備するための土地取得費に対し、区市町村には2分の1、社会福祉法人には4分の3を補助するもので、年間必要予算の推計は50億円。
 条例案は自民、公明、民主、みんな(2会派)、ネット、維新各党の反対で否決されたものの、認可保育所に申し込んでも2万1360人も入れないという深刻な待機児童の解消に向けて、躍進した力も生かして具体的な提案と、それを実現するための共同を呼びかける日本共産党の姿は、都民からも支持されました。
 府中市在住で2人の子を育てる岡林奈緒子さんは、「里吉都議は、認可保育園に入れない切実な声を紹介して、どうして用地費補助が必要なのかを分かりやすく説明し、他党にも協力を呼びかけました。これに対し、他党の質問には、都民の生の声がまったくなかった。都議会傍聴は初めてで、共産党以外は同じことを言っていて心から驚きました」と話します。

各党の主張は

 都民の願いが込められた日本共産党提案の条例案に各党は、どういう態度をとったのか―(表参照)。どの党も都が進める株式会社などの民間事業者の参入を前提に、「認可保育園でも園庭がないところが増えており、必ずしも園庭は必要ではない」(厚生委員会)、「予算をともなう条例は予算編成権をもつ知事と事前調整が必要」といって反対しました。
 これに対し、日本共産党の里吉ゆみ都議は討論で反論。園庭が確保できない原因の多くは土地の確保が困難なことだと指摘。「園庭は保育の質を支える重要な要素のひとつであるだけに、都は条例で幼児1人あたり3・3・以上とすることを定めている」とし、「この条例本則を実現できるようにすることこそ都の役割であり、保護者や保育関係者の願いだ」と強調しました。
 また、知事と事前調整が必要との反対意見については、議員の議案提出権の範囲を自ら大きく狭めるものだとし「議案提出権は地方議員に与えられた重要な権利であり、議会活性化のためにも、予算をともなう議案も含め、議員の議案提出権を広く保障することこそ必要だ」とのべました。
 里吉都議は「認可保育園も認証保育所も小規模保育も、質の底上げを図るために、施設の拡充と職員の待遇及び配置の充実を進めることを求めてきた。この条例の成立をはじめ、ご一緒に保育施策の総合的な拡充のために、力を尽くそうではありませんか」と呼びかけました。

25件を可決、同意

 この日の本会議では、副知事に前田信弘知事本局長(57)を任命する人事案など25件を可決、同意しました。副知事は2人から3人になります。
 八ッ場ダム(群馬県)建設工期を4年延長する基本変更への同意案は、自民、公明、みんな、維新のほか、08年には反対していた民主党も賛成し、可決。日本共産党とネットは反対しました。このほか、五輪・パラリンピックの成功に向けた決議を全会一致で可決。日本共産党は決議案の共同提案者にはなりませんでしたが、同党の提案で五輪憲章に基づいて開催するとの立場が明記され、賛成しました。
 共産党の大山とも子幹事長は同日、「8議席から17議席へ躍進させていただき、議案提出権も得た力を生かし、都民要求実現のため全力を尽くしました」との談話を発表しました(2面に掲載)。
(東京民報2013年10月20日号に掲載)