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都議会報道                   2013/10/06

注目論戦 共産党 多摩地域のNICU拡充迫る 一般質問・尾崎あや子都議

一般質問する尾崎あや子都議

9月26日、都議会本会議
 8議席のときには、質問時間の関係で行えなかった一般質問(9月26日)に、新人の尾崎あや子都議が立ちました。
 「このような実態を、どう受け止めますか。胸が痛みませんか」。尾崎都議のりんとした声が議場に響きました。
 取り上げたのは、多摩地域で不足するNICU(新生児集中治療室)の問題。立川市など6市で構成する北多摩西部医療圏には地域周産期母子医療センターは1カ所もなく、NICUは3床しかないために、未熟児出産の多くが府中市の都立小児総合医療センターや23区の病院に搬送されます。そのために、母親は産後直後から1日に何回も搾乳し、冷凍した母乳を病院に届けなければならないなど、重い精神的・肉体的負担を強いられているのです。
 尾崎都議はこうした実態を猪瀬知事に突き付け、NICUの増床を求めたのです。
 その上で、尾崎都議が問題にしたのは、「多摩地域のNICUは63床で23区の231床に比べ少なすぎる」ということ。周産期医療における「多摩格差」です。
 都には「年間出生数1万人にNICU30床」という目標があります。これに照らせば多摩地域全体で100床、北多摩西部医療圏では14床必要ですが、都は14年度までに東京全体で320床まで増やすという目標だけで、多摩地域や同医療圏で何床増やすという目標も計画もありません。
 尾崎都議は、こうした問題を指摘し、増床目標を明確にし、都が策定する「新たな長期ビジョン」にも位置づけるよう求めました。猪瀬知事は「周産期医療体制の充実に努める」と答弁しましたが、多摩地域のNICUの増床目標については答えませんでした。

オスプレイ 横田基地配備に反対を

 尾崎都議は、米空軍が垂直離着陸機CV22オスプレイの横田基地への配備を検討している問題で、配備反対を政府と米軍に厳しく申し入れるとともに、基地の整理、縮小、返還の実現に取り組むよう迫りました。
 猪瀬知事は「単に基地の全面返還を唱えるだけでは何も進まない」とのべ、軍民共用化を正当化。尾崎都議は再質問に立ち、石原慎太郎前知事が1999年に「返還について強く国に働きかけていく」と答弁し、都議会も全会一致で決議したことをあげ、全面返還に正面から取り組むよう重ねて求めました。
 地元、東大和、東村山両市などから駆けつけた60人近くの支援者が傍聴席を埋めました。質問を聞いた渡辺寿賀代さんは「都立清瀬小児病院つぶしの反対運動を思い出しました。一生懸命訴えていた尾崎さんの声に思わず、目頭が熱くなる思いでした。当選して本当によかった」と語りました。

(東京民報2013年10月6日号に掲載)