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都議会 清水都議が代表質問  11/12/08

防災、貧困対策急げ

見代表質問に立つ清水ひで子都議

  都議会第4回定例会の本会議が7日開かれ、各党代表質問を行いました。日本共産党は清水ひで子都議が立ち、石原慎太郎知事に対し、防災や放射能汚染対策、福祉や医療、中小企業対策など、都民の切実な要求実現を求めました。

 
放射能対策
 清水都議は、都民の最大の不安となっている内部被曝から、子どもたちを守る対策について質問。放射線量が年間1・以下の地域で数年後からがん発症率の急増、免疫力の低下などの健康被害が報告されたチェルノブイリ原発事故の事例をあげ、「低線量だから大丈夫だという立場は厳に慎むべきだ」と強調。
 
 健康被害を心配する都民の不安に寄り添い「最大限の対応をするという立場こそ都に求められている」のに、都有施設で発見されたホットスポットを除染しない都の姿勢を厳しく批判。全都有施設、とりわけ学校の局所汚染実態の詳細な把握と必要な除染対策を求めました。
 さらに学校給食食材の検査を都内26区市町、調理後の測定は6区で実施しているとし、区市町村への測定支援や子どもたちの尿中セシウムやストロンチウムなどの継続的な健康調査を求めました。

社会保障
 東京の生活保護受給者は、現在21万世帯、この12年間で2倍以上に増加し、高齢者や失業者だけでなく、働いても収入が生活保護水準に届かない世帯が急増しています。
 清水都議は、こうした事態が進む原因に、失業や低賃金、生活保護以前のセーフティーネット機能の不全を指摘。「貧困を打開するには、雇用を確保し、社会保障を立て直すことが求められている」とし、福祉、雇用、住まいなど、独自のセーフティーネットの拡充に取り組むよう提案。
 政府は復興に名を借りた消費税大増税と一体で社会保障の切り下げを狙っていると指摘。来年度は介護保険料、後期高齢者医療、国民健康保険料(税)の値上げも計画・検討されているとして、保険料の抑制対策を求めたほか、脳ドックの受診促進、無料低額診療事業の拡充を提起しました。

中小企業対策
 中小企業の年末対策として、区市が実施する融資制度への支援のほか、医療と工業の連携による新しい産業の振興を提案。医工連携をただちに開始し、「医療技術革命」に本格的に乗り出すことを提案しました。

防災対策
 清水都議は防災対策にかかわる石原知事の所信表明について「もっぱら震災発生後の対策で、安全・予防対策について言及すらしなかった」と批判。都営住宅の耐震比率が70%に届かず、上下水道の耐震化率(表1)も著しく遅れていることを指摘した上で、期限を切った耐震化計画や緊急の前倒し計画の作成、鉄道の耐震化への都のイニシアチブの発揮を求めました。





財源確保
 清水都議は福祉や社会保障、防災など、都民施策の充実に必要な財源の額(表2)を具体的にあげ、それらの財源を生み出すためには、右肩上がりの経済成長を前提にした巨大開発への投資を抑制することが必要だと強調。「2020年オリンピック招致を口実にした外環道の着工や、晴海線や多摩新宿線などの不要不急の高速道路の新規建設、巨大港湾の建設は凍結すべきだ」と力説。併せて歳入確保のために、大企業の法人事業税の税率を1・2倍に緊急に引き上げることを提起しました。

築地市場の豊洲移転予定地
 清水都議は築地市場(中央区)の移転予定地(江東区豊洲)の土壌汚染対策工事の入札をめぐる談合疑惑問題を追及。共産党が入手した受注ゼネコンの内部資料で、共同企業体(JV)の参加企業の組み合わせや全企業の出資比率などが落札結果と一致していたこと、落札率が94〜97%と高水準だったことを指摘。「都に寄せられた談合情報はどのようなもので、どう調査・対応したのか」とただしました。
 安藤立美財務局長は談合情報や調査の内容を明らかにせず、「調査を改めて実施する考えはない」と答弁しました。

TPP
 清水都議は最後に、政府のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加について、石原知事の批判的発言を紹介した上で、政府に対しTPP参加反対を強く申し入れるよう提案しました。石原知事は「アメリカ(依存)ではなくて、日本自らの決断で参加不参加を決めてもらいたい」と答えました。


                                   (東京民報12月18日号に掲載)