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株式会社 東京民報社
都知事選2016
都知事選が告示 事実上3氏の争い 問われる「政治とカネ」、福祉・暮らし | 16/07/14
鳥越俊太郎氏が第一声 「3つのよし」の東京を実現する
新宿東南口で第一声をあげる鳥越俊太郎氏
舛添要一前知事の辞職に伴う知事選(31日投票)は民進、共産、社民、生活の野党4党と生活者ネットが推すジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)と、自民、公明が推薦する元総務相の増田寛也氏(64)=、元防衛相の小池百合子氏(63)の事実上3氏によるたたかいです。都知事選は自公推薦の2代の知事が「政治とカネ」の問題で引責辞職したもとで都政をどう刷新するのかが問われます。また、安倍政権のもとで貧困と格差が拡大する中で都民の福祉充実や暮らしを守る課題、経費が膨らむ4年後の東京五輪・パラリンピックをどうするのかが問われます。
鳥越候補は14日午前10時半から新宿駅東南口で第一声をあげました。訴え(大要)を紹介します。
◇ ◇
今回、都知事選に立候補させていただきました鳥越俊太郎です。さまざまな支援団体や都民のみなさんのご支援を受けて出ると決断しました。出馬決断にいたる経緯をこの際ですから、申し上げます。
支援する4野党、生活者ネットの代表とともに声援に応える鳥越氏(左から3人目)
2016年7月14日、新宿駅東南口
舛添問題に横たわる希薄な税金への意識
一番大事に思っているのは、日本の社会、近代市民社会で、国民、都民一人一人が汗水たらして働いて得た報酬の中から、税金という形で、東京都の運営のために出しているお金が、果たしてちゃんと使われているかどうかということです。
実は(税金を)出した方も、受け取った方もあまり意識していない。日本全体も都全体も納税者意識が希薄なところがあります。その典型的な例が舛添さんの問題ではなかったのではないでしょうか。
舛添さんは私たち一人一人がちょっと痛い思いをしながら、財布の中から納めた税金を、海外出張の時に軽々と何も考慮することなくファーストクラスで行きました。これでいいのですか、税金を払っている立場から許せますか、許せないですよね。
ホテルでは何十万円もするスイートルームに泊まって、税金をどんどん無駄遣いしている。つまり、ここには、私たちの税金をどれだけちゃんと正しく受け止めて使っているかという問題が横たわっている。そのことが今回の選挙の大前提ですよ。この大前提を、みなさん忘れないでください。
私たちは税金を使って東京都はちゃんとやってくださいよと委託しているわけですよ。ところが、受け取った方はまったく、そういう気持ちを受け取っていなくて、かなりいい加減に使っている。この問題がきょうの都知事選をやらなければならなくなった出発点ですよ。
納税者意識というのは私たちも必要なんですよ。税金を受け取って仕事をする、議会と行政のみなさんがちゃんと考えないといけない。だけどそれが希薄になっていた。その問題を私はずっと考えて、このままではだめだろうと。
鳥越候補の第一声に集まった大勢の支援者
2016/07/14、新宿駅東南口
出馬は自ら決断
私は1965年から新聞記者となり、報道の現場をずっと歩いてきた人間です。したがって、選挙という当事者、インサイダーになる気はなかったんですね。私は常にアウトサイダーとして、事実は、真実は何なのかを見極めて、それをみなさんにお知らせしたいということで、仕事をしてきました。
今回は、アウトサイダーをいつまでも気取っていていいのか、という気持ちが私の中に芽生えました。このままでは、やはり自分に人生の最後を迎えるときに後悔をするのではないか、悔いのない生き方をしたいということで、都知事選への出馬を決意しました。
したがって、どこかの団体、政党から「ぜひ出てくれ」という打診を受けて出たわけではありません。私は自分の意思で決めたんです。そのことをぜひみなさんに分かっていただきたい。それぐらい私の中に東京都政を一部の人のものではなくて、都民のみんなに都政を取り戻すという気持ちを強く思って、なんとかして都知事選出てみろという決断をして、いろんな団体、政党の支援を受けるという、結果的にはなりました。
みなさん方の熱いお心遣い、ご支援の気持ちに深く感謝しております。支援してくれるみなさん方、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。できるだけみなさんの期待に応えるようにします。
51年間歩いた報道現場 何が問題か見極める力
私は報道現場を51年間、歩いてまいりました。その間、管理職という人の上に立つようなことはしていません。常に地面を這って事実は何か真実は何かということをつかみ取り、かぎ分けて、そしてそれをみなさんに伝える仕事をしてまいりました。したがって、今回も都知事に立候補するにあたって、都で何が問題になっているのか、自分で見極めて、それを変えていく、みんなに都政を取り戻すような、新しい都政をつくっていく、そういう仕事をしたいと思っています。それは私の報道現場一筋という仕事からしても、一番私にふさわしい仕事だろう、私に課せられた仕事だろうと思っています。
「3つのよし」の東京を
そこで私は三つの話をしたい。スローガンとして住んでよし、働いてよし、環境によしという「三つのよし」という東京都を実現していきたいなと思っております。
住んでよしというのは、東京都というのは大変可能性をひめた、さまざまな方、いろんな能力を持ち、同時にいろんな問題を抱えて困窮の中にある方、差別の中にある方、さまざまな方がいらっしゃる。こういう人たちにとって行政がちゃんと手を加えていけば、本当は全国で一番住みやすい街である、希望の街であるというふうに思っています。
宇都宮さんと胸襟開いて会談
昨日、実は立候補を予定しておりました宇都宮(健児)さんと話をしました。一時間弱、お互い心のうち胸のうちを打ち明けて話をしました。最後に雑談の中で、宇都宮さんがチラシで使っているキャッチコピーを見てまして、宇都宮さんの側近の方が「いいでしょう」という話があって、僕らも見て「これいいな」って。もし宇都宮さんが出馬を取りやめるようなことがあったときには、このキャッチコピーを使わせてもらっていいですか、と。
「困ったを希望に変える東京を」宇都宮さんのキャッチコピー 使っていいですよ
どういうコピーかというと「困ったを希望に変える東京を」。これはなかなかいいコピーなんですね。「困った」、住んでいても「困った」ということがいっぱいある。「困った」を希望に変える、そういう東京でありたい。これは名文句であると思いまして、使わせていただいていいですか(と尋ねたら)、そうしたら、宇都宮さんサイドは「いいですよ」ということで、これから出てくるチラシなどには、このキャッチコピーが出ていると思います。
まさに、それなんです。「住んでよし」といいましたが、住んでいていろんな問題を都民は抱えている。格差の問題、必ずしもみんなが豊ではない。東京も貧困の中にあります。みんながお金持ちではない。ほどほどの生活をして、苦しいなかで、生活をやりくりしている。
でも生きている人間ですから、やっぱり住んでいい、という方になりたいじゃないですか。そういう「住んでよし」という街に何とかして、私が都知事に選ばれることがあれば、「東京に住んでよかったな」という街に、絶対に変えて見せます。
働いてよし 非正規問題変える
都民のみなさんは働きながら生活していらっしゃる。しかし、必ずしも給料は十分じゃない。最近はどんどん安倍政権のもとで格差が生まれています。非正規の仕事をしている人は、全国平均で4割になっている。東京だってかわりない。非正規が多くなったということは、一人一人の収入がそれだけ下がっているといことです。それを考え、変えていかなければならない。
働いてよしと思える東京をみなさんとぜひ、みなさんの声を一つ一つ聞きながら(つくっていく)。だからみなさん、私が知事になったら、黙っていないで「こういう問題あるよ」という声を聞かせてください。
私の長所は都民の声聞く耳がある
私の最大の長所は、聞く耳を持っているということなんです。恐らく舛添さんは持っていなかった。猪瀬さんも持っていなかった。石原慎太郎さんはもっと持っていなかった。ここでもし、みなさんのご期待にそえて当選することができれば、初めて都民の声に耳を傾ける都知事が出てくると思ってください。
みなさんの側に立ってたたかう
東京都に住んで環境にもやさしい、緑が多くて、できたら緑の中でゆったりと暮らしていける、すばらしい環境に(したい)。そして東京が環境を痛めつけて、悪化させていくような状況では困る。
これから選挙戦に入ります、ぜひこれからは、みなさんと共に、私はみなさんの側に立ってたたかいます。みなさんのご協力を必要とします。どうですか、いっしょに新しい東京をつくっていこうではありませんか。
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